2011/09/27
『池田屋チェックイン』4日目夜の部
根本くん出演の『池田屋チェックイン』は、ご存じ池田屋事件を舞台にしたコメディです。
劇場がこれまで数々の凡作で泣かせてくれた銀河劇場だったので、ものすご~~く不安( ̄□||||だったのですが、今回は本当によかった!!
やればできるじゃん! 銀河劇場!
優れたコメディはたいていそうですが、主演の中河内雅貴くん(坂本龍馬役)だけが目立つんじゃなくて、出演者全員の個性がすごくうまく絡み合って、上質なタペストリーのように仕上がっていました。
まあ、正直2時間を超す上演時間(休憩なし)でほとんど笑いっぱなしというのは観ているほうも疲れるのですが、テンポのよさと軽快な演技に助けられて、何とか走りきったという感じ。
これを昼夜2回上演するって、出演者も体力の限界だと思います。
事故なく最後まで頑張ってほしいです。
さて、DVDで鑑賞される人もいるのでネタばれはしないようにしますが、それでも多少触れずには書けないので、知りたくない方はこれ以降は読まないようご注意ください。
帰ってきてチラシを見てから知ったのですが、作・演出は舞台で沖田くんを演じた浅沼晋太郎さんなんですね!
35歳でこれだけの舞台を作るなんて!と感動していたら、初演は2003年らしく……びっくり!
声優さんもやっているってどんだけマルチな才能なんですか!
根本くんとは『遊☆戯☆王5D's』で共演していたんだな~。
では、今回の舞台について。
根本くんは新選組隊士で監察方の山崎烝役。
薬の行商人に変装して登場するんですが、衣装が現代風のアレンジのため、最初は眼鏡をかけていますヾ(@^▽^@)ノ 。
口八丁手八丁で危機を乗り越えるキャラなので、かなりの長台詞を立て板に水のごとくしゃべります。
前半は大活躍。
後半はなぜか舞台上で寝ている時間が結構長いのですが(笑)、あれってある意味演技するよりきついですよね。
『メモリーズ5』のとき、ご本人も大変だったと言っていたし。
舞台の一番客席に近いところでかなり長い時間横たわっているので、オペラグラスでガン見してしまいました。←
先に観劇したさこさんも、キタムラさんも「関西弁が…」と言ってましたが、私はほとんど気にならなかったかな~。
間の取り方や突っ込み方が絶妙で、とても生き生きとしていました。
でもこの舞台はみんな本当にうまかったので、素敵なタペストリーの絵柄の中の一つという感じ。役割をきっちりと果たしていたと思います。
脚本は、池田屋事件や幕末の人間関係を知っていればいるほどニヤリとさせられるくすぐりが多くて、知らなくても笑えるけど知っていればさらに楽しめます。
池田屋に行ったのは近藤さん、沖田くん、藤堂くん、永倉さん……のはずなのに、『銀魂』の九兵衛さんに対する東条さん並みに沖田くんを溺愛する土方さんが、こっそり永倉さんと入れ替わって一緒に来ちゃっていたり、クワガタムシのネーミングが甲子太郎だったり……。
新選組の人物造形もなかなかよかったですよ~。
優柔不断で穏やかな近藤さん、沖田くんに対して超過保護な土方さん、緊張感ゼロの自然児沖田くん、真面目一筋の藤堂くん……。
桂さんにしても、龍馬にしても、デフォルメがすごく激しいのですが、どの人物にも愛情やリスペクトが感じられます。
ごくたまにちらりと覗くシリアスな面も、スパイスとして効いていました。
なるほど、全体に『銀魂』を思わせる部分が多いんだな~。
実際に起きた事件の悲惨さとは大きく異なる、舞台上でも何度も言われていた「夢」のような世界。
けれど、日本の未来を命懸けで切り拓こうとしていた幾多の若い才能のことを考えると、本当にこんなふうであってくれたら……と思わずにはいられませんでした。
素晴らしい劇をありがとうございました!!