美保神社(島根県松江市)
出雲で「青龍の磐座」の位置にあるのが、この美保神社。
松江市のはずれに位置しますが、由来は非常に古く、出雲大社と併せて詣でる人が多いそうです。
上は、美保神社の参道と境内の間にある鳥居。神社は山を背にして、海に向かって建てられています。
ゲーム内の出雲郷と思われる出雲大社から美保神社までは、車で行ってもかなりの距離。
月が中天にかかってから謎の光の橋を渡って、ここまで来たんだな、千尋ちゃんたち。
きっと時空を超える橋だったのでしょう。
本殿に続く随身門(上左)と、本殿の内部(上右)。こんなに中が見渡せるのは珍しいですね。
本殿は「美保造り」と呼ばれる独特な様式なのだそうです(写真撮り損ねてる<汗>)。
祀られているのは神社の名前の由来ともなっている、大国主神(オオクニヌシノカミ)の妻、三穂津姫命(ミホツヒメノミコト)と、第一子の事代主神(コトシロヌシノカミ)。
この事代主神は「えびす様」のことで、全国に三千余りあるえびす社の総本社にあたります。
そして、出雲大社でもご紹介した「国譲りの神話」との関係も深いのです。
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の使者、建御雷之男神(タケミカヅチノオノカミ)と天鳥船神(アメノトリフネノカミ)に国譲りを迫られた大国主神は、自分の息子の事代主神の意志を確認するよう求める。
事代主神はそのとき美保の岬に釣りにきていたが、天鳥船神に迫られて国譲りを承知し、船から身を投げて青柴垣(あおふしがき)の中に身を隠してしまった。
この故事にちなんで、美保神社では毎年12月に、諸手船神事(もろたふねしんじ)という祭りが行われます。
天鳥船に扮した二艘の船が、漕ぎ競い、互いに水を掛け合う勇壮な祭りだそうです。
元いた場所から移されて、機嫌を損ねている神様……というのは、国譲り神話からの発想かもしれませんね。
上は神社の裏手にある丘。
なんと、このすぐ右に「磐座」(大きな岩)があったらしいのですが、行ったときには気づきませんでした!
なので、雰囲気だけ味わってください。
「磐座」は、「神や聖なるものが降臨する岩石」のことなので、ゲーム画面ではあの巨岩を指すんですね。
青龍の磐座では、風早が酔っぱらった勢い(多分)で、青龍にケンカを売ったのが一番の思い出ですが……。
はっ! これ、那岐の誕生祝い特集だったはず(汗)。
磐座には那岐も来たので、よしとしてください!
美保関の海(上左)と、青石畳通り(上右)。
実は美保神社には諸手船神事以外にもう一つ、大切な神事があります。
青柴垣神事(あおふしがきしんじ)がそれで、この祭りの際は船に幕を巡らせ、竹と注連縄で青柴垣を作って事代主神の入水を海上で再現するそうです。
「神の葬式」を行う非常に珍しい祭りとのこと。神々の故郷ならではの行事かもしれません。
青石畳通りは、美保神社の大鳥居の脇から仏谷寺まで続く江戸時代に作られた道。
海から切り出された敷石が、雨が降ると青く光るためこの名が付いています。
立ち並ぶ由緒ある建物がレトロな雰囲気を醸し出していて、散歩するだけでも楽しいです。
この地を訪れた文豪たちに関するプレートを探しながら歩くのも一興。