東寺(京都府京都市南区)
その昔、平安京の正門にあたる羅城門の東西には、東寺と西寺が建っていました。
13世紀には失われたと思われる西寺とは対照的に、 弘法大師空海に下賜された東寺は「お大師様の寺」として信仰を集め、 現在も多くの参拝客が訪れる場所となっています。
『遙か』『遙か2』ではゲームの中で四方の札を集めますが、 これは弘法大師が京の結界を強化するために作ったもの。
そのためか、東寺はどちらのゲームでも重要なスポットとなっていますね。
『遙か』では頼久さんの好きな紫苑の紙、 『遙か2』では彰紋くんと泉水さんが好きな菊を入手できます。
東寺の南大門(上左)と、寺の中心的な建物である講堂(上右)。
講堂の中には、密教の教えをよりわかりやすく伝えるために弘法大師が作ったと言われる「立体曼荼羅」があります。
二十一もの仏像が立ち並ぶ光景には息を飲みますが、遙かファンに絶対チェックしていただきたいのは、正面左手の明王像。
そう、不動明王を取り囲む形で、降三世明王、軍茶利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王が並んでいるのです!
これらはすべて平安時代前期に作られた、日本最古の明王像。
私は毎回大威徳明王をガン見してきます(笑)。
あとは男前の帝釈天像も要チェックかな?
仏像の造形美を思う存分味わえる場所なので、たっぷり時間を取ってご見学ください。
東寺の本堂にあたる金堂(上左)と、シンボルとも言える五重塔(上右)。
金堂の中には薬師如来像と月光菩薩、日光菩薩像が置かれ、講堂に比べるとすっきりした印象です。
薬師如来像の台座に刻まれている十二神将像が素晴らしいので、お見逃しなく。
コミック版のほうでは、東寺は八弦琴のエピソードの主たる舞台です。
セフルの企みで眠らされたあかねちゃんを救うため、泰明さん、天真くん、頼久さんとイノリくんが、この五重塔で戦います。
特別拝観の時期には内部を見学することもできるので、ぜひ『遙か』の世界に浸ってみてください。
順番は前後しますが、東寺を訪ねたあかねちゃんは、池に花を手向けて亡き僧侶の供養をしていた永泉さんと初めて出会い、 その直後に琴の呪いで倒れてしまいます。
その池と思われるのが上左。
ここで自分の笛の音に涙をこぼすあかねちゃんに、永泉さんは一目ぼれしたわけですね。←
なお、ゲームのほうの永泉さんの急展開ルートでは、潔斎のために彼がこの寺に籠ってしまいます。
そのことを伝えた藤姫が、「(東寺に行くのなら)頼久に供を頼みましょうか」と聞くので、二人で訪ねていって、 恋愛イベントが起きなかった神子様方が結構いたとかいないとか。
永泉さんはナイーブなお方ですから、ちゃんと一人で訪ねてあげてくださいね〜。
東寺の境内には桜をはじめさまざまな樹木が植えられていて、四季を通じて散策を楽しむことができます。
年末に訪ねたときには白と薄紅色の山茶花(上右)が見事に咲いていました。
コミックやCDドラマに登場した東寺の市(弘法市)も毎月21日に行われるとのことなので、何度でも足を運ぶ価値がありそうですね。