佐藤彦五郎新選組資料館(東京都日野市)
日野宿本陣に居を構えていたのが、佐藤彦五郎さん。
姉の嫁ぎ先である佐藤家と土方さんの交流は深く、本陣の裏にある佐藤彦五郎新選組資料館(上、下左)には、彼をはじめとする新選組隊士たちの遺した品が数多く展示されています。
沖田くんが現状報告の中で山南さんの死に触れた「沖田総司書簡」、土方さんが京土産として持ち帰った「景徳鎮の茶器」、近藤さんや永倉さんが彦五郎さんにあてた書簡など、有名な資料の中で、私が行ったときには新たに土方さんが愛用していた鉄扇や横笛が公開されていました。
現在、資料館の館長を務める子孫の佐藤福子さんによると、家の長持ちの底などからこういった品が続々と出てきたとのこと。
おそらく明治政府が隊士の遺品の所有を禁じた際、親族の方々が隠したのだと思われます。
佐藤彦五郎さんは、明治政府下での新選組隊士の名誉回復に尽力し、高幡不動尊にある「殉節両雄之碑」の建立にも関わったそうです。
ついでに、もう一つ資料館をご紹介。
2005年に開館した「日野市立新選組のふるさと歴史館」(上右)は、日野という宿場町の変遷の中に新選組を位置づけ、紹介しています。
床面を使った当時の地図の再現は圧巻で、試衛館や寛永寺、江戸城などから甲府に続く甲州街道沿いの宿場町の地名を一つひとつ確認することができます。
京王線沿線はもちろん、小田急線、JR中央線沿線の方にも楽しめるかと(笑)。
ちなみに、壬生の屯所前(下左)や函館(下右)を模した背景の前で記念写真が撮れるコーナーや、新選組の隊服、土方さんの洋装を着られるコーナーなどもあります。
お好きな方はぜひ。
*『BARAGA-鬼ki』ポイント
新選組の屯所で、周平やお嬢と剣術の稽古をする沖田くんを見て、井上さんが
「ああやってると、なんか昔を思い出すんですよ…ほら、昔、日野で副長もやったじゃないですか? 村の子供集めて、局長とかと一緒に」
と言います。
「ああ…そんな事もあったな…」
と応じる土方さん。
殺伐とした日々の中、故郷の思い出を語るときだけは、みんな優しい顔になるのが印象的でした。