「姫、できれば君は何も知らずにいてほしい。
俺の命がどうなろうと、戦の中で消えようと、
君は国のことだけ、未来だけを見据えて。
この命が豊葦原、姫の作る国の未来と引き換えか。
ならば、代償としては安いものだ」
『遙かなる時空の中で4』六章「太古の森の奥へ」より。
熊野の磐座は、現在の熊野本宮大社の辺りにあったと考えられます。
玄武を解放し、エイカの不吉な予言を受けた後、一人磐座の中に残る忍人さん。
激しく咳き込み、千尋ちゃんに不調を気取られなかったか心配した後、
静かに呟くのがこの哀しく悲愴な言葉です。
撮影場所:和歌山県田辺市の熊野本宮大社にて