遙かゆかりのスポット巡り

11月生まれさん特集

須賀(島根県雲南市



出雲に着いた風早千尋ちゃんは、須賀で葦原を通りかかります。
千尋ちゃんのケガの治療のため風早が去った後、橿原宮時代を思い出すシーンで登場するのがあの有名なスチール。

「俺がお育てした姫に、間違いはありません」

葦原の中で泣いていた幼い千尋ちゃんに青い花冠をかぶせて、抱き上げる場面ですね。
須賀の葦原の中でも、名を呼ぶとすぐに現れる風早
後々への伏線となる重要なイベントです。

舞台となっている須賀は、八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した須佐之男命(スサノオノミコト)が、オロチから救った櫛名田比売(クシナダヒメ)と暮らすための宮を建てた場所。
この場所に到着した時、
「吾ここに来て、我が御心すがすがし」
と言ったため、須賀の名が付いたと言われています。

現在、この地には須賀神社が建てられています。
上の写真の鳥居の奥に「日本初之宮」の碑があるのが見えますね。

  

出雲
に特徴的な左から撚った注連縄(上)。
普通の注連縄は、右から撚られています。

須佐之男命は、この宮を包んで美しい雲が立ち上る様を見て、

「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」

(盛んに湧き立つ雲が、妻とともに暮らす宮のめぐりに八重垣を作る、見事な雲の八重垣を)

と、日本初の和歌を詠んだと言われています。
そのためこの地は、「和歌発祥の地」とも呼ばれているそうです。

実際、すがすがしい気に満ちた神社で、社殿(下右)も小振りながら非常に美しく、均整の取れた姿をしています。
境内に立つ2本の大杉(下左)も見事。
なお、この神社から2キロほど離れた八重山(旧須賀山)の山腹には、巨大な夫婦岩があり、ここが神社の奥宮の磐座とされています。

   
神社のそばにある神楽の宿(下左)。
この地では現在も、集会所などで正月に神楽を舞う習慣がありますが、昔はこういった民家で舞われていたそうで、その伝統を守るため、古民家を移築し、内部に神楽衣装などを展示しているそうです。
予約すれば神楽を見学することも可能とか。
八俣の大蛇退治を中心とする神楽の文化は、出雲の各地で目にすることができます。

現在の須賀には残念ながら葦原はありません(下右)が、風早千尋ちゃんのあのシーンを偲びたいと言う人は、足を運んでみるのもいいかも。