もう一つの悲運が、ここにある。
遙かなる時空の中で3〜十七日記〜
2010年版
(ここまでのストーリー?は、『遙かなる時空の中で3〜十七日記〜2009年版』をご覧ください)
去年「ババロアとか……」と予告したとおり、今年はババロア作る気満々です、戦神子。
ただ、普通にババロアを作っただけでは難易度が低すぎる(注・生まれてから一度も作ったことがないので、単なる思い込み)ので、「ババロアケーキ」にして、スポンジの上にババロアを載せてはどうだろう! などと不敵なことを考えました。
去年まで正面から戦って何度も敗れてきたスポンジを、脇役にしてやろうというとんでもない下克上(?)企画です!
早速webでレシピを検索。
「…………………」
何だか高度だ。
果物の果汁とか、生の果物とか使って、ジューサーとかまで動員して、非常に高度なことをやっているレシピが多いぞ!
「…………………」
年に一度のケーキのために買われては、ジューサーも気の毒だろう。
そのお金があったらPS3、もとい、洗濯機に回すのが正しい(注:ジューサーはそこまで高くありません)。
中の人が大好きなマンゴーのババロアは来年の宿題(!)にして、「誰でも作れる!」「簡単!」と評価の高いレシピを採用することにいたしました。
●Ka女史
私「まあ、ババロアだけ作るんなら失敗しないと思うんだけどね〜」
Ka女史「誰もあなたが成功する話なんか読みたくないわよ〜。失敗してナンボでしょ」
私「そ、そうかな。じゃあやっぱりスポンジ焼くべき?」
Ka女史「当然でしょう!!」
●くーさん
私「マンゴーババロアのレシピはいくつか見つけたんですが、マンゴーババロアケーキのレシピがなくて」
くーさん「じゃあ、ババロアだけにしておけば?」
私「Ka女史が、誕生ケーキは失敗してナンボだって」
くーさん「………。多分、マンゴーババロアケーキならスポンジのほうにも何か混ぜないと味が浮くと思うけど」
私「混ぜるって何を?」
くーさん「マンゴーの何かをよ! 私に聞くな〜!」
●K女史(Ka女史とは別人です)
私「そういうことで、今年はマンゴーはあきらめてシンプルなババロアケーキにする予定です」
K女史「そうなんだ〜」
私「食べてくださいね!」
K女史「ええ〜っ? どうして?!」
私「私は辛党なんです! 1人でホールなんて食べきれません! 友だちでしょ?!」
K女史「友だちと、チョメチョメかもしれないケーキを食べるのは別だよ!」
私「今日の占いでは私は『友達運』に恵まれるって書いてあったんです!」
K女史「うううっ。し、仕方ない、食ってやるか」(なぜ説得される?)
ということで、いきなり本番に挑む度胸がない戦神子は、前の週に試作をしてみることにしました。
題して「私にババロアは作れるのか?!」
一番難易度の高いスポンジケーキ作りはとりあえずパスして(……それ、どうだろう)、買ってきたしっとりふんわりスポンジケーキを使用します。
で、ババロアのほうはミルクコーヒー味……要は「コーヒー牛乳味」です。
加えて、どのレシピにも出てくる「セルクル」というものの代わりに、ケーキの焼き型は使えないものか? という疑問も解決する予定。
半分負ける覚悟で調理開始!(始めるのが嫌で、サイトいじってたら23時過ぎちゃったのは内緒です)
粉ゼラチンをふやかして、インスタントコーヒーを溶かした牛乳+きび砂糖(なんであんなでっかい袋でしか売ってないんだ)と合体、よ〜く混ぜます。
一方、別のボールで生クリームを五分立て(はっきり言って、こういう基準はさっぱりわかりません! どこが五分でどこが八分なのかっ?!)にします。
ちなみに、レシピを読んでいくうちにどんどん使うボールが増えていくことってありますよね!
途中で足りなくなったらどうするんですか!(泣)
材料のところに、「使うボールの数」も明記するべきだと思います、本当に(インターネットでタダでダウンロードしておいて言うことじゃないが)。
さて、ここまでは(多分)順調。
罠は次のステップにありました。
「氷水にあてながら、ゼラチンが生クリームと同じくらいもったりするまで混ぜる」
ふんふん。
では……と、ちょっと控えめに氷を入れたボールに、ゼラチン入りコーヒー牛乳のボール(この時点でボール3つ使用!)を入れ、混ぜてみます。
なんか全然もったりしないなあ……。
氷ケチりすぎたかなあ……。
製氷室から、ありったけの氷を投入。
うわお!! いきなり固まり出した!!!
もったりどころじゃなく、そのままババロアへと変容しそうなコーヒー牛乳をあわてて生クリームに投下。
混ぜてみたところ、見事な水玉模様が……。
これって、ダマ?
小麦粉だけじゃなくて、ゼラチンにもダマができるのっ?!!
まあとにかく仕方ないのでスポンジケーキを置いた焼き型の中に、ドット模様がチャーミングなゼラチン系の物体を入れてみました。
冷やすこと約1時間。
「熱湯を通したおしぼりで周りを温めてから型をはずす」というので、熱湯で煮立てたおしぼりを使おうとしたら、熱くて持てません(そりゃそうだ)。
仕方なく、おしぼりをバスタオルでつかんで型にあてました。
もともとうちの焼き型は底が外せるし、周囲の部分も緩めることができるので、おしぼりは不要だったのかもしれませんが……。
おお!
固まってる!
どうやら私にもババロアっぽいものを作ることはできたようです。
デコレーション用の生クリームをガシガシ泡立てて(ちゃんとリキュールと砂糖は入れた)、デコレーション開始!
相変わらず下地が透けて見えるへたっぴなデコレーション!
でもまあ、一応表面を全部覆って、……完成?
↑ドット模様がチャーミング?
試食
…………ババロアって思ってたほどおいしくないんだね……。
ドット柄は見た目ほど食感に影響はなかったですが。
本当にこれでいいのかな?
ゼラチンのダマってどうやって防げばいいのかな?
さまざまな不安要素を抱えたまま、試作は終わったのでした……。
その後毎日ワンピースずつ食べてます。
本番用作る前に、完全に飽きた……。
「そういえば去年も、なっかなか料理始めなかったな……」
スーパーに行くのをグズグズと引き延ばしながら感慨に浸る戦神子。
「たく、自信がないんならとっとと始めればいいだろ? やり直す時間がなくなるぞ」
脳内の将臣くん(心の師匠)が呆れている声が聞こえます。
なんというか、失敗の結果を見るのを少し引き延ばしたいんだよね……。
その辺の乙女心、わかってよ。
「わかんね〜よ!」
譲くんのお誕生日を祝うサイトさん巡りもさすがに終わり(今年はたくさんあってうれしかった)、やっと腰を上げました。
スーパーに行ったら、いざというときの逃げ道、「できあいのスポンジケーキ」がないっ!!
何、もしかして、やっぱり日本中が譲くんのお誕生日を祝ってるの?!
単に棚を間違えていただけなのですが、ああ、焦った。
帰宅してまずはスポンジケーキに着手。
今年はメインではないので、焼き型でなく、天板に流し入れる形になります。
レシピが違うので、何だか新しいことをやっている気分。
途中、卵黄をシンクにぶちまけるというアクシデントはあったものの、なんとなくスポンジっぽいものができたので安心しました。
型より一回り小さくくりぬいて、焼き型にセット!
そして、前回ドットができちゃったババロアへと進みます。
「きっと、ゼラチンを急に冷やし過ぎたんだよね」
と、慎重に慎重に冷却。
一度、いきなり固まってきてしまったので、もう一度加熱したりして、わずかにとろみがついたところで生クリームと合体。
あれえ、ほとんど液体だけど、いいのかな。
でもこれならダマはできないよね。
トロトロトロトロと焼き型に流し込み、さあ、冷蔵庫に入れようと持ちあげると、
「?!」
え、もう固まり始めたの?
いえ、この固体は、固体は!!
スポンジが浮いてる〜〜っ!!!!
この瞬間、スポンジケーキからやり直しが決定したのでした……。
時刻は午後10時……。
参加を約束していた「菫光祭」様のチャットに顔を出しつつ、ゼロからの再スタート。
そりゃあね、1個目で成功するとは思わなかったけどさ。
ちなみにフローティングスポンジのババロアの姿。
ごつごつとしたものが浮き上がってきたスポンジです。
長く生きてるけど、こんなケーキ初めて見た。
な、ないことじゃないよね、きっと。
誰かそう言って〜〜!!
調理を再度終えて、冷蔵庫に入れたのが午前0時直前。
この時点でバースデーケーキをバースデーに渡す夢は潰えたのでした。
くそう、昼間に無駄にした時間があれば……!!
午前1時に冷蔵庫から取り出し、生クリームとプレート、キャンドルでデコレート。
や、やっと終わった〜!!
譲くん、遅れちゃって本当にごめんね。
きっとやさしい君は夜明けまでだって待ってくれるのだろうけど。
ということで、今年のケーキ。
苦労しているのは、生クリームの中身なんですが、これじゃわかりませんな(笑)。
キャンドルに火をつけてパチリ。
あっという間に燃え尽きちゃうキャンドルで焦りました。
そして、午前2時の試食タイム。
大慌てで作りなおしたのが幸いしたのか、ドットは入らなかったです。
よかった〜。
たっぷり冷やせば夏向きのデザートになるはず。
さて、休み明けに誰に食べさせてやろうか…(笑)。
で、来年はですね、今年断念した「マンゴーを使ったケーキ」に挑戦してみたいです!
ああ、自分でどんどんハードル上げてるよ。
譲くん、お誕生日おめでとうございます!!